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TECH君のQ&Aコーナー

Q4) エンジンオイルについて

<はじめに>

エンジンオイルは大きく分けると2種類あります。
@ガソリンエンジン車用 Aディーゼルエンジン車用
エンジンの特徴・燃料の違いからエンジンオイルに求められる性能が違いますので、それぞれのエンジンに合ったオイルを選択してください。特に気をつけていただきたいのが「ガソリンエンジン車用オイル」をディーゼル車に使用すると、エンジンの故障に繋がるケースがあります。これは「ディーゼルエンジン車用オイル」でないと対応できない要素があるためです。また、どちらにも使用できる「ユニバーサルオイル」という物もありますので、この場合は選択の必要はありません。
(質問)なぜガソリンエンジン車用エンジンオイルをディーゼル車に使用すると、故障の原因になるか?
ディーゼル車はガソリン車に比べ、燃焼時に黒煙が多く発生しますので、ガソリン用に比べて洗浄作用を求められます。
ガソリン車の燃焼時に発生しない物質が発生します。ガソリン用オイルでは中和できません。
ガソリン車に比べ燃焼温度が高いので、ガソリンエンジンでは対応できない温度になる場合があります。

<エンジンオイルの分類>
◆石油化学合成油(100%)
石油から取り出された成分を一度人工的に化学分解&合成し、成分や分子を一定に整えたオイルです。加工するのにコストがかかりますので、値段としては高価になりますが、性能面ではあらゆる条件下でも安定した高性能が発揮できます。
◆部分合成油
鉱物油に上記の化学合成油を20%以上混合し、100%化学合成油に性能を近づけたオイルです。簡単に言えば、鉱物油と化学合成油の中間レベルのエンジンオイルとして取り扱われます。
◆鉱物油
石油(原油)の精製過程で抽出できるオイルで、簡単に言えば自然に取り出したオイル分そのものです。人為的な加工などを行っていませんので、比較的安価なエンジンオイルとして流通しています。
日本酒に例えると「大吟醸・純米吟醸・純米」みたいな感じです!

<エンジンオイルの規格>
市販のオイルには「10W-30」や「SL」の表記があります。
◆10Q-30... SAE規格
Society of Automotive Engineers (SAE)規格:アメリカ自動車技術者協会が定めたオイルの粘度(硬さ)を定めた規格で多くの市販のオイルはこちらをベースで粘度表記しています。
オイルの特徴として、冷たい時は硬く、暖かい時はやわらかくなる性質を持っています。例えば身近な物ですと、「ラード」は冷蔵庫に入れておくと固体(硬い状態)ですが、暖めると液体(やわらかい状態)に変化します。つまり、エンジンオイルも冷たい時の硬さ、暖かい時の硬さを表したものが「10W-30」という表記になります。硬さに関しては次のようになります。



◆「SL」... APL規格
American Petroleum Institute(APL)規格:アメリカ石油協会がエンジンオイルの品質を定めた規格です。
ガソリン車・・・SA~SMまでのグレードで分かれてます
ディーゼル車・・・CA~CF-4までのグレードで分かれてます
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ガソリン車・・・ SA SB SC SD SE SF SG SH SJ SL SM
ディーゼル車・・・ CA CB CC CD CE CF CF-4
右に行くほど高性能
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※ガソリン車に「SI」、「SK」規格がないのは
「SI」は国際単位で使用されていて、「SK」は韓国に同じ名前の石油会社があったからだそうです。


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