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EPISODE 25 有機ELの構造と今後の動向

最近になって再び有機ELという言葉を聞く機会が多くなってきたね。
先日、お客さまからも有機ELについて質問があったよ。まみちゃんは有機ELの構造ってわかる?           

分からないよ、教えて!              

携帯電話のディスプレイ等で既に多く使用されている有機EL(エレクトロルミネッセンス)だけど、薄型テレビの筆頭ともいえる液晶テレビやプラズマテレビに代わる新たなデバイスとして本格的に登場することになるわけですね。

なるほどね。
液晶テレビプラズマテレビの構造については過去のエピソードを再確認してください)

では有機ELの構造から説明しましょう。
「有機」という名の通り、作り出された化学物質を使用するわけです。その化学物質である有機ELに電圧を加えることで2つの電極からプラスエネルギーとなる正孔(せいこう)とマイナスエネルギーとなる電子が発生します。その両者を発光層と呼ばれるエリアで結合させると励起(れいき)ともいえる高エネルギー状態になるわけです。

ふむふむ

それで、その高エネルギー状態から安定状態へと戻る途中で発光します。
ちょっと子供逹が公園の滑り台で遊んでいる光景を浮かべてみてね。

   

階段を登っている最中は正孔(せいこう)と電子とが結合される工程です。登りきったところが励起(れいき)となり、滑りはじめは高エネルギー状態ですが、その途中で一気に発光するわけです。滑り終わると発光を終えた状態となります。

あれ?ということは何回も何回も滑りつづけなければならないってこと?

そうだよ。これが有機ELは寿命が短いと指摘された原因です。開発に開発を繰り返し、何十億回もの発光に耐えられる有機物が完成したからこそ製品化されるのでしょうね。


なるほどね。

液晶テレビの大幅な視野角の向上、そして隔世の域に達したプラズマテレビに代わるデバイスとなるためには最低でも既存薄型テレビの性能を上回らなければならないよね。

このような厳しい状況の中で発表されるわけだから必然的に注目されるってことだよね。

そうだね。今後どうなるか楽しみだね!さて、もちろんのことですが、新しいデバイスとして製品化・販売されれば延長保証商品として取り扱われることは間違いないでしょう。

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