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TECH君のQ&Aコーナー

Q3)薄型テレビの最新動向って?

■薄型テレビに関する質問が増えていますね。早速説明しましょう。

まず外せないのはエコポイントでしょう。2009年5月より開始され本年度末まで実施されますが、薄型テレビの枠に生まれた新たなトレンドと言っても過言ではありません。エコポイントが起因して次々と新商品が発表されますが、その背景には本年4月度のエコポイント改正が大きく関わっています。何故かと言うと、4月度よりエコポイント対象商品基準が厳格化しているんですね。即ち省エネ性能を強化しない限りエコポイント対象商品枠から外れてしまうのです。各メーカーは、省エネ性能向上のために新技術を採用したり、既存技術のさらなる効率化を図って対抗しているので、次々と素晴らしい商品が発表されるわけですね。

◆液晶テレビ
液晶テレビでは図の様なLEDバックライト技術競争が勃発しています。

◆プラズマテレビ
図の様な新技術によって上位クラスの液晶テレビより低い消費電力を実現化しています。



◆3Dテレビ
そして最大の注目株と言えば3次元映像を体験可能とする3Dテレビですね。まずは「人間の目」について少し触れておきましょう。そもそも人間の目はどの様なメカニズムなのか。これを理解することで3Dテレビの仕組みが分かるかと思います。



人間の両目は約5〜6cm離れていて、同じものを異なる角度から見ています。そして、近距離のものを見る場合には左右の眼球が中心に向かいます。3Dテレビは人間の視覚特性を上手く利用して擬似的な立体感を作り出しているんです。とは言え、一昔前の3D技術で見受けられた視聴者を驚かす「飛び出し感」ではなく「奥行き感」を重視しています。その3D技術には専用眼鏡を必要としており、裸眼での3D技術がテレビに採用されるにはまだ先の話になりそうなんですね。  

さて、各メーカーが採用したフレームシーケンシャル方式の仕組みは図の通りです。
        

1秒間に左右それぞれ60コマ、合計120コマの映像情報がテレビ側より赤外線で専用眼鏡に送られてきます。専用眼鏡はその情報に従って左右交互にシャッターを開閉するんですね。右目側の映像時には、左目側シャッターを閉じるので、フルハイビジョンの精細な画像を失わずに維持できるんです。それでも、3Dテレビで問題視されたのは1コマ前の映像が起因する「もれだし現象」です。つまり、1コマ前の映像が残って二重に見えてしまうわけですね。もちろん各メーカーによる技術のぶつかり合いとも言えるその対応策は注目の一つでもあるでしょう。

プラズマテレビは発光を必要とするその瞬間に映像を書き換えていますので、その発光時間(ホールド時間)をさらに短縮させました。液晶テレビは映像を画面の上から下へ書き換えています。その書き換え速度を向上させない限り残像感を減少させることが出来ません。対応策の代表格的技術が倍速技術です。プラズマテレビも液晶テレビも、それぞれの性能を向上させるために開発された技術が3Dテレビにしっかり生かされているんですね。

さて、3D映像は何もテレビだけのものではありません。まみちゃんの大好きな映画でも3D映像が大活躍していますよね。そんな映画好きな皆さんへ、ちょっとした豆知識をご提供します。

実は同じ映画であっても、映画館によって3D上映方式が異なります。現在、日本で上映されている3D方式は4通りです。詳細は映画館に直接質問してみると良いでしょう。せっかくですから、その4通りを簡単にまとめてみます。ご参考まで!

◆Dolby3D
右目、左目とそれぞれにカラーフィルターが組み込まれています。RGB(光の三原色)を調整変化させ、光色によって左右のカラーフィルターを通過するものとしないものとに分離させています。
◆Real D
右目、左目とそれぞれに偏光板が組み込まれています。光の振動方向を右螺旋と左螺旋に調整変化させ、それぞれの偏光板を通過させることで映像を分離させています。
◆IMAX3D
上記Real D方式と同様に偏光板が組み込まれています。異なるのは螺旋偏光ではなく一定の直線方向に調整変化させ、それぞれの偏光板を通過させることで映像を分離させています。
◆Xpan D
現在の3Dテレビで採用されているフレームシーケンシャル方式です。

これだけ方式があると困惑してしまいそうですよね。しかし、3D上映にはそれ相応の設備が必要となります。従って、全ての映画館が同様の方式を取れない要因となっているんです。どの方式も短所、長所はありますが参考までに一つ・・・上映する映画がどの方式を前提に撮影されているのか。こんな事を調べて映画館に足を運ぶのも楽しいかもしれませんよ!え?そんな事を調べてるのはTECH君だけだって?・・・そ、そんなぁ・・・。

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