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電子ピアノが故障した際の対処法は?
電源が入らない、鍵盤の不具合、音が途切れるなどのトラブルに対するチェックリストと解決策、修理費用の目安も紹介します。
電子ピアノを使おうとしたら音が出なかったり電源が入らなかったりと、演奏できなくて困っている方は多いと思います。
また電子ピアノが故障した際に、次のようなことを知りたい方もいらっしゃるでしょう。
● 修理費用の相場が知りたい
● 自分で直せる方法が知りたい
● 修理と買い替えのどちらが損をしないのか知りたい
そこでこの記事では、電子ピアノが故障した場合にご自身で解決できることや修理を依頼した場合の費用相場、買い換えたほうが良いタイミングについてまとめました。
記事の最後には故障や不具合を減らすコツも紹介しているので、出費を減らしたい方はぜひ最後までご覧ください。
電子ピアノは電気を利用して音を出す特性上、本物のピアノとは故障の症状が異なるケースも多い楽器です。
電子ピアノで発生しやすい不具合や故障の症状は、次のようなものが挙げられます。
● 電源が入らない
● 鍵盤の動きが悪い
● 音が出ない・途切れる
● ペダルが反応しない・遅い
● 鍵盤から変な音・打鍵感に違和感
それぞれご自身で解決できる症状、修理を依頼しなければならない症状がありますので、くわしく解説していきます。
電子ピアノのスイッチを入れても電源が入らない場合は、次の項目をチェックしてみましょう。
● コンセントに電源が差し込まれているか
● 本体と電源コードが差し込まれているか
電源が入らない原因として考えられるのは、コードの断線や電源プラグの故障です。コード類がしっかり差し込まれているのであれば、電源コードの買い換えや修理を依頼しましょう。
鍵盤を叩いたあとの戻りが悪かったり戻ってこなかったりと、突然動きが悪くなった場合は、次の項目をチェックしてみましょう。
● 鍵盤の隙間に異物が挟まっていないか
● 鍵盤を押した状態を維持のまま左右に動かして、異物がないか
とくに異物も見当たらない場合は、鍵盤パーツの摩耗によるものが考えられます。交換や修理が必要なため、メーカーサービスや購入した販売店に依頼しましょう。なお、消費者自身で異物等を取り除く行為を推奨していないメーカーもありますので、無理に取り除くことはせず、プロへ依頼することをおすすめします。
電子ピアノの電源が入っているにもかかわらず、本体から音が出なかったり途切れたりする場合は次の項目をチェックしましょう。
● ボリュームがゼロになっていないか
● ヘッドホン端子にヘッドホンのコードが差しっぱなしではないか
● 外部スピーカーにつなげている場合、スピーカーなどの電源が入っているか
上記をチェックしても改善されない場合、基盤の不良や異常が考えられるので修理を依頼しましょう。
足元のペダルが反応しなかったり動きが遅かったりするのであれば、次の項目をチェックしましょう。
● ペダルコードの端子が変形していないか
● ペダルコードが本体にしっかりと差し込まれているか
● ペダルを固定しているアジャスターが緩んでいないか
ペダルの不具合に関しては、上記のチェック項目によって解決できるケースがほとんどです。それでも改善されない場合は、修理を依頼しましょう。
鍵盤を叩いたときにカタカタと音がしたり、いつもと打鍵感が変わったりする場合は、鍵盤フェルトが剥がれていると考えられます。
鍵盤フェルトの交換が必要ですが、そのためには電子ピアノを分解しなければなりません。
鍵盤フェルトは自分で交換しようとせず、メーカーサービスまたは購入した販売店に依頼しましょう。
電子ピアノの故障が自分で修理できないものだとわかった場合、修理を依頼しなければなりません。
修理を依頼する場合「保証期間内の場合」と「保証が切れていた場合」で、依頼する手順が異なりますのでそれぞれ解説します。
電子ピアノを新品で購入した場合、ほとんどのメーカーから1〜2年の保証が付いています。
保証書を確認し、保証期間内であればメーカーに修理を依頼しましょう。
【主要メーカーのサポートページ】
● ヤマハ(YAMAHA)
● ローランド(Roland)
● カワイ(KAWAI)
● カシオ(CASIO)
● コルグ(KORG)
購入から数年経っているのであれば、延長保証の加入状況をチェックしましょう。延長保証の期間内だった場合、保証書に記載されているサービス提供元に修理を依頼します。
注意しなければならないのが、保証期間内だったとしても無償で修理を受けられるのは「自然故障の場合のみ」ということです。
たとえば「水をこぼして音が出ない」「異物が入ってしまった」などの修理は保証期間内だったとしても有償になる場合があります。
メーカー保証も延長保証も切れていた場合は、メーカーサービスまたは購入した販売店に有償で依頼しましょう。
故障した電子ピアノをメーカーに有償修理を依頼した場合、修理費用の目安は以下のとおりです。
修理内容事例 | 料金 |
---|---|
電源が入らない | 10,000円〜25,000円 |
音が出ない | 20,000円〜25,000円 |
鍵盤を弾くとカチカチと音がする | 15,000円〜25,000円 |
鍵盤の動きが悪い | 15,000円〜25,000円 |
ペダルを踏んでも音が伸びない | 10,000円〜20,000円 |
メーカーに修理を依頼した場合は、上記の他に出張料が別途かかります。
電子ピアノは電化製品なので永続的に使えるわけではなく、いずれは故障して直せないタイミングもやってきます。
使用年数が長いほど不具合や故障も発生しやすくなるため、買い替えの目安は購入から10年から15年です。
また電子ピアノの修理部品は、最低保有期間が「生産完了後8年」と定められています。そのため生産が終了して8年が経過した電子ピアノは修理部品が不足し、修理をしてもらえない可能性も高くなるでしょう。
実際ローランドの公式ホームページには、電子ピアノが修理できる期間について次のような記載があります。
● 6年:お預かり修理の受付期間終了
● 8年:出張修理の受付期間終了
● 10年以上:操作方法などのお問い合わせをいただいても十分な回答ができないことをご容赦ください。
引用:Roland「年式・年式・修理期間一覧」
電子ピアノの購入から10年以上経過して故障した場合、延長保証も切れていますので買い替え時期といえるでしょう。
電子ピアノを新品で購入した場合、延長保証の加入は必須といえます。
ほとんどのメーカーから無料で保証が付いていますが、いずれも購入から1〜2年までと保証期間としては不安が残るからです。
メーカーが無料で1〜2年の保証を付けられる理由としては、統計的に電子ピアノは1〜2年で不具合や故障が発生しにくいとわかっていることも挙げられます。
故障はメーカー保証が切れてからのほうが多いので、万が一に備えて延長保証は加入しておきましょう。
ピアノは日頃の扱い次第で不具合が発生しやすくなったり、寿命が短くなったりもします。
次のような「不具合の発生しやすい使い方」をしていないか、チェックしておきましょう
● 鍵盤をむき出しのままにしている
● 譜面をとめるためにピンや付箋を活用している
● 湿気が高く直射日光の当たる場所に設置している
電子ピアノを長く愛用するためにも、これから紹介する使い方は避けるようにしてください。
電子ピアノの鍵盤は、むき出しの状態にしていると不具合の原因になるので、必ずフタをしましょう。
フタの無い電子ピアノの場合はカバーをかける必要があるのですが、面倒に感じてしまって次第にかけなくなる人もいます。
鍵盤の隙間からホコリや異物が入ってしまうと不具合の原因になってしまうので、鍵盤がむき出しにならないように、使用後はフタやカバーを必ずしておきましょう。
電子ピアノを演奏する際に、譜面をとめるためにピンや付箋を利用する人もいるでしょう。
電子ピアノのトラブルで多いのが、鍵盤の隙間からピンや付箋などが入ってしまったことによる故障です。ピンや付箋などが原因による故障は保証期間内であっても有償修理となるため、できる限り使わないほうがおすすめです。
電子ピアノは高温多湿に弱いため、直射日光の当たる場所や湿気が多くなる窓側付近に設置するのは避けましょう。
湿気が多い場所に設置すると電子ピアノ内部で結露が発生し、電子部品が不具合を起こす可能性があります。
また、直射日光が当たると本体内部の温度が上昇して部品が歪んだり、故障したりする可能性も高くなります。電子ピアノ本体の色も変色してしまうため、直射日光は避けて湿気が少ない場所に設置しましょう。
電子ピアノが故障した場合に、自分で直せる症状はそれほど多くはありません。
この記事で紹介した対処法を行っても改善されない場合は、保証書を確認してメーカーなどに修理を依頼しましょう。
また電子ピアノが古くなってくると、修理をしたとしても他の不具合が発生する可能性も高くなってきます。
電子ピアノの生産完了から8年が経過している場合、修理そのものを受け付けてもらえないこともあるため、買い替えを検討したほうが良いでしょう。
電子ピアノの購入する際は、メーカー保証だけでは正直不安が残りますので延長保証を付けておくと安心です。
延長保証による修理事例や保証内容について、くわしくは「延長保証について」のページで解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。