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補聴器が急に音が出ない、電源が入らなくなった?
長く愛用するためのコツや買い替えのタイミングについても紹介します。
突然補聴器から音が聞こえなくなったり電源が入らなくなったりと、不便な思いをしている人もいるのではないでしょうか。
また、補聴器を購入してから結構な年数が経っていて「修理したほうがいいのか買い換えたほうがいいのか」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
この記事では補聴器の不具合をすぐにでも直したい、買い換え時期について知りたいという方に向けて、下記の内容をまとめました。
● 補聴器が故障した場合にご自身で対処できる方法
● 補聴器の修理を依頼する際の注意点や費用
● 補聴器を買い換えたほうが良いタイミング
● 補聴器の故障を減らして長く愛用するコツ
補聴器の修理で利用できる補助金についても紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてください。
補聴器に次のような症状が出ていて困っている人は多いのではないでしょうか。
● 音が出ない
● 電源が入らない
● ピーピーと音がする
● 急に聞こえなくなる
● 聞こえ方がいつもと違う
上記のような症状が発生した際に、まずはご自身でできるかんたんな対処法を紹介します。改善されない場合は決して分解など行わずに、購入したお店などに相談しましょう。
補聴器から音が出ないときは、次の2つを確認してみましょう。
● 電池が切れていないか
● 音の出入り口が汚れで詰まっていないか
まずは電池が切れていないか確認し、交換した直後であればプラスとマイナスを正しく入れてあるのか、電池のシールが貼ったままにしていないかチェックしてみてください。
上記以外に、音が出なくなっている原因として意外と多いのが、耳垢や汚れによる原因です。補聴器の音の出入り口に耳垢や汚れが詰まっていないか確認し、掃除をしてみましょう。また、耳掛けタイプの場合は補聴器と耳栓をつないでいるチューブが結露していることもあります。チューブを正しく脱着のうえ結露水を取り除きましょう。
補聴器本体が起動する音が聞こえないなど、電源そのものが入らない場合、次の項目を確認してみましょう。
● 電池が切れていないか
● 電池は正しく入っているか
● 充電ケースに異物が入っていないか
● 充電ケースに本体を左右逆に収納していないか
メーカーによっては補聴器本体が落ちたり強い衝撃を受けたりした際に、充電保護として電源がしばらく入らない仕様になっているものもあります。
補聴器に衝撃が加わるような出来事があった場合には補聴器を充電ケースに収納し、充電ケースを半日充電してみましょう。
補聴器から「ピーピー」と音が出ているのは、故障ではなく「ハウリング」が起きている状態です。
「ハウリング」は補聴器から漏れた音を再び補聴器が拾ってしまっている状態ですので、補聴器を正しく耳にはめ直してみましょう。また、補聴器を耳に装着してからスイッチをONにすることでハウリング対策になります。
それでも改善されない場合は、耳の形状に補聴器が合っていない可能性が考えられます。補聴器の形状を変更する必要があるので、購入したお店に相談しましょう。
補聴器を使っている途中で急に音が聞こえなくなった場合、まず考えられるのは電池切れですので新品の電池に交換してみましょう。
また、補聴器に汚れが詰まってしまった可能性もあるので、丁寧に掃除をおこなってください。
電池の交換や掃除で改善されない場合は故障が考えられるので、購入したお店やメーカーに相談してみてください。
声が変に聞こえたり音がひずんでいたりと、聞こえ方がいつもと違う場合は補聴器の故障が考えられます。
補聴器の本体やICチップなどが不具合を起こしている可能性があり、ご自身では直せない状態です。購入したお店やメーカーに修理を依頼しましょう。
補聴器の修理は「購入した店舗」または「補聴器のメーカー」に依頼することになります。
電化製品のような「メーカー以外の修理専門店」はないため注意してください。
では、補聴器の修理を依頼する手順と注意点を下記の順番に解説します。
1. 保証期間を確認して購入店かメーカーに依頼する
2. 代替機を貸し出してくれるか確認する
補聴器の修理を依頼する前に、まずは保証書に記載されている「保証期間」を確認しましょう。
保証期間内に発生した自然故障は、無償で修理をおこなってもらえます。
故意ではなかったとしても「水に濡らして聞こえなくなった」「踏んでしまって壊れた」というケースは保証期間内であっても修理費用が発生する場合があるので注意してください。
基本的には購入したお店に修理を依頼し、お店がメーカーに補聴器を送って修理をおこないます。
保証期間が切れていた場合でも、まずは補聴器を購入したお店に相談しましょう。
補聴器の修理期間は1週間以上かかることもあります。
修理期間中に補聴器がなくては不便ですので「代替機」を貸し出してもらえるのか、あらかじめ確認しておきましょう。
ほとんどのお店では無料で代替機を貸してくれるのですが、一部用意がされていないところもあります。
代替機が用意されておらず一時的な補聴器が必要な場合は、インターネットなどでお手頃な補聴器を探してみるのもおすすめです。
補聴器の修理費用は、基本的に購入してから年数が経過しているほど高くなる傾向にあります。
たとえば補聴器の使用期間が「5年未満」と「5年以上」で下記のような修理費用になるケースもあります。
5年未満 | 5年以上 | |
---|---|---|
消耗品の交換 クリーニング検査 |
8,400円 | 8,400円 |
レシーバー、マイクロフォンの交換 | 21,000円 | 31,500円 |
アンプ、レシーバー、マイクロフォンの交換 | 31,500円 | 52,500円 |
※上記費用は目安ですので、詳しくは購入した店舗またはメーカーにお問い合わせください。
各種メーカーによっても修理費用は異なりますので、補聴器を購入したお店に直接問い合わせましょう。
補聴器を修理する際、条件が当てはまる人には補助金が出るので積極的に活用しましょう。
利用できる補助金は「障害者総合支援法を利用して購入した人」と「利用していない人」で異なります。
「障害者総合支援法」とは厚生労働省の管轄のもと平成25年に施行された法律で、対象となる方は補聴器の購入や修理時の費用が原則一割負担となります。
「障害者総合支援法」の制度による補聴器購入について詳しく知りたい場合は、厚生労働省のホームページ「補装具費支給制度の概要」をご覧ください。
障害者総合支援法を利用していない人も、地方自治体によっては補聴器の修理に補助金を出している場合があるので、調べてみましょう。
たとえば東京都北区がおこなっている支援制度に「補装具費の購入・修理等費用助成」があり、補聴器も支援の対象となっています。
対象となる年齢や条件、負担してもらえる費用などは自治体によって異なるため、詳しくはお住いの区役所に問い合わせてください。
障害者総合支援法を活用する場合も自治体の支援制度を活用する場合も、申請は役所の「障がい福祉担当窓口」でおこないます。
補聴器は決して安いものではありませんので、故障した際もできるだけ修理をして長く使いたいと思う方も多いでしょう。
しかし実際は補聴器を購入してから、5年が経過している場合は買い換えたほうが良いです。
5年で買い換えたほうが良い理由のひとつに、厚生労働省が公表している「補装具種目一覧」に「補聴器の耐用年数は5年」と定められていることも挙げられます。
2022年におこなわれた補聴器に関する実態調査でも、約8割の方が6年以内に買い替えていることがわかります。
出典:日本補聴器工業会「JapanTrak 2022 調査報告」
補聴器は頻繁に耳に装着するものですので、汚れや使用環境による経年劣化は避けられません。
耐用年数を超えて利用し続けていると、頻繁に不具合が発生する可能性も考えられますので、5年を目安に買い換えを検討しましょう。
補聴器は精密機器ですので、普段の利用方法や保管環境が故障の原因になりやすいです。
次の項目に当てはまるのであれば、補聴器が故障しやすい環境といえるので注意してください。
【補聴器のよくある故障原因】
● 汗を拭いていない
● 乾燥ケースを使っていない
● 乾燥ケースの乾燥剤を交換していない
● 電池を外さずに乾燥ケースに入れている
● 補聴器に耳垢が詰まったままにしている
補聴器を長く愛用するためのコツも含めて、それぞれ詳しく解説します。
汗が補聴器に付いたまま放置すると故障の原因になるので、定期的に汗を拭き取るようにしましょう。
補聴器は精密機器ですので、補聴器内部に汗が入ってしまうと錆びや腐食などが発生して故障してしまいます。
また補聴器のなかでも「耳掛け型補聴器」は、耳の後ろを流れる汗が付着しやすいので注意が必要です。
夏場など、とくに汗をかきやすい時期は補聴器に汗が入らないように気をつけましょう。
補聴器を購入した際に付属している「乾燥ケース」に入れないまま保管していると故障してしまいます。
乾燥ケースを使わずに保管していると湿気で補聴器内部に結露が発生して、音が聞こえづらくなったり出なくなったりと不具合が発生してしまいます。
故障の原因になりやすい湿気から守るために乾燥ケースはありますので、保管する際は必ず乾燥ケースに入れましょう。
しっかり毎日乾燥ケースを使用していたとしても「乾燥剤」の交換を怠ってしまうと、湿気が発生してしまうので注意してください。
乾燥剤の種類や季節によっても異なるのですが、およそ1か月〜3か月で交換が必要です。
乾燥剤は補聴器専用のものを使用しないと効果がありませんので、お菓子などに付属している乾燥剤を使うのはやめましょう。
交換時期を忘れないように、交換時期を書いたシールを乾燥ケースに貼り付けておくのもおすすめです。
補聴器に電池が入ったまま乾燥ケースに入れてしまうと、電池の寿命が短くなってしまいます。
乾燥ケースに保管する際は、かならず電池を外しましょう。
補聴器の電池は一般的な電池と構造が異なり、目に見えないほど小さな穴が開けてあります。
そのため乾燥した状態に置いておくと空気と化学反応を起こし、電池の消耗が早くなってしまうのです。
電池を長持ちさせるためにも、乾燥ケースに入れる前に電池は外しましょう。
補聴器は耳に装着するため、補聴器本体に耳垢や汚れが付着してしまうのは避けられません。
しかし耳垢や汚れが付着したままにしていると、マイク部分が錆びついて音を正しく拾えなくなるなど、さまざまな不具合に発展してしまいます。
使用したあとは乾いた布やティッシュで拭いたり、専用のブラシを使って音の出入り口の汚れを取ったりしましょう。
故障の原因を防ぐためには、毎日のメンテナンスが非常に重要です。
補聴器が故障した際にご自身でできる対処法は、おもに次の3つです。
● 電池を交換する
● 補聴器の汚れを取る
● 電池が正しく入っているか確認する
改善されない場合は無理に分解して直そうとはせず、まずは購入したお店に相談しましょう。
補聴器は精密機器ですので、適切に使用していたとしても寿命は5年程度と短いものです。
乾燥ケースを使用しなかったり日頃のメンテナンスを怠ったりしていると、さらに寿命は短くなってしまうので注意しましょう。
また、補聴器のメーカー保証はほとんどが2年までしかないため、寿命の目安となる5年まで使用するには不安が残ります。
補聴器の寿命まで不安なく安心して利用したい方は、延長保証に加入しておきましょう。
延長保証に加入しておけば、メーカー保証が切れたとしても保証が続いているので、5年先の交換時期まで安心して利用できます。
延長保証の仕組みについては、こちらのページで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。